「ニーイン」のセルフ改善法
トレーニー「スクワットをすると、どうしても膝が内側に入っちゃう」
トレーナー「膝が内側に入ると膝を痛めるリスクが上がるので、気をつけましょう」
トレーニー「いや、そんなこと耳にタコができるくらい聞いてるから、わかってんねん!」
こんなこと思ったことないですか?
私の指導した経験則でも、結構な割合でいます。
特に女性に関しては2人に1人、下手したら1.5人に1人くらいの割合でニーインする傾向にあるかもしれません。
女性は男性に比べ骨盤幅が広く、前捻角が増大している傾向にあります(内股になっている)。
身体の構造上、ニーインしてしまう人が多いため、「意識しましょう」だけではものすごく時間がかかるし、修正しきれない人も多いんです。
今回は上行性運動連鎖とボディスキーマの上書きを利用したニーインの改善方法を3つご紹介します。
目次
・ニーインのセルフ改善方法
・扁平足が与える影響
・番外編
・まとめ
ニーインのセルフ改善方法
⓵足部と足首を掴んで、足部は回外(母子を外側へ)方向へ皮膚を誘導し、足首より拳一個上辺りから足首にかけて外側へ皮膚を誘導するようにねじります。
②膝を曲げながら腿の皮膚を外側へ誘導するようにねじります。
③股関節を外転・外旋・屈曲させながら、腿の皮膚を外側へ誘導するようにねじります。
上行性運動連鎖とはその名の通り、運動が下から上にかけて影響を及ぼすことを言います。
下半身の上行性運動連鎖では
足関節回外→脛骨外旋→膝関節伸展→大腿骨外旋→股関節伸展・外旋・外旋→寛骨後傾
このように、下から上にかけて運動連鎖を起こします。
足関節回内位では上記の上行性運動連鎖と逆の関節運動が起こります。
ニーインの修正は、上行性運動連鎖を用いて行います。
扁平足が与える影響
扁平足の方は正常なアーチを持つ人に比べ、ニーインしやすいアライメントになります。
扁平足の方は荷重が足底部の内側にかかりやすく、足関節が回内してしまいます。
そのため、正常なアーチを持つ人に比べて圧倒的にKnee inのリスクが上がるのです。
扁平足は主に2つのパターンの分かれます。
○フレキシブル
荷重時にアーチが潰れてしまい、機能的アーチの消失とも言われます。
○リジッド
荷重、非荷重関係なく完全にアーチが消失している。扁平足の人は3つのセルフエクササイズに加えて番外編のタオルギャザーを行うことで改善する可能性があります。
ただし、リジッドの方はフレキシブルの方に比べて効果は小さくなってしまいます。
番外編
まとめ
今回ご紹介させていただいたエクササイズは、スクワット等のニーインをしてしまう可能性が高いエクササイズの前に行うことをオススメします。
このエクササイズによって構造が変化するわけではないので、エクササイズ前後でMRIを撮ってもなんの変化も見られません。
しかし、皮膚を誘導することでボディスキーマの一時的な上書きをすることができ、ニーインを修正しやすくなります。
ニーインしづらい状態を作ってスクワットを行うことで、脳にニーインしないスクワットのインプットをすることができます。
ペアで相手に行ってもらえば、より一層効果を感じる事ができます。
ただ意識してニーインを修正するのに比べて改善するまでの時間を格段にカットすることができるので、是非試して見てください。
鈴木寛太(KANTA SUZUKI)
パーソナルトレーナー。活動地域:愛知県。
本来あるべき機能を取り戻すことこそ“ストレスから解放されるカギ”をモットーに日々活動中。動かしやすい身体は人生を豊かなものにしてくれます。皆様に身体づくりのヒントをお伝えできたらと思っております。