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ケガ後のトレーニング方法【メカニズム解説付き】

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 今回はトレーニング中にケガをした場合、どのようにトレーニングを再開したらよいのかについて解説していきます(※自宅で安静にするレベルのケガということを前提にしています。

ケガの基本

 ケガには”五大徴候”というものがあります。

・発赤…障害部が赤くなる
・腫脹…障害部が腫れる
・熱感…障害部が熱くなる
・疼痛…障害部が痛くなる
・機能障害…障害部が機能障害(動きが悪くなる)が起きる

 これらは、ケガをしてすぐ(急性期)に起きる症状です。

 

どこをケガしたのか理解する

 まずは、どこをケガしたのか知ることが大切です。

 医者に診断してもらうことが一番早いです。骨の異常はレントゲンを撮らないとわかりません。靭帯などはMRI・CTでないとわかりません。

 しかし、医者に行くほどのケガでないということも多いかと思います。

 そのような場合、どのようにして、どの部分のケガかを判断する方法を解説します。

 基本的に、運動時のケガは骨・靭帯・筋肉+腱の3種類です。

●骨の損傷

 骨の損傷が起きた場合は、病院に行くことをオススメします。

 骨の損傷が起きた場合は、安静時から痛みがあります。さらに叩打痛といい、障害部周囲をノックするように叩くと骨が響くように痛くなります。

 この安静時痛と叩打痛がある場合は、骨の損傷の可能性が高いです。

 

●靭帯の損傷

 靭帯の損傷はいわゆる捻挫というものです。

 ケガをしてすぐは五大徴候がありますが、少しする(2-3日程度)と落ち着きます。靭帯の損傷は落ち着いた後は安静時痛はなくなります。

 しかし、体重をかけると疼痛が生じます。これを荷重痛といいます。

 さらに、損傷部の関節を他動的に動かす(力を入れず、他人に動かしてもらう)と疼痛があります。これを他動運動時痛といいます。

 安静時痛がなく、荷重痛と他動運動時痛がある場合は靭帯の損傷である可能性が高いです。

 

●筋肉・腱の損傷

 筋肉・腱の損傷は、筋挫傷・肉離れというものです。

 筋肉の疼痛の場合も、靭帯と同様にケガをしてすぐは五大徴候がありますが、2-3日程度で少し落ち着きます。その後、安静時痛はなくなります。

 しかし、自動運動(自分で筋肉を動かす・筋肉に力を入れる)をすると疼痛が生じます。これを自動運動時痛といいます。

 筋肉の損傷は他動運動での疼痛はあまりありません。なぜなら、他動運動では筋肉は強く収縮しないため疼痛が生じません。

 しかし、ストレッチ(筋肉を伸ばしきる)では疼痛が生じます。

 安静時痛・他動運動時痛はなく、自動運動時痛・ストレッチ時の疼痛がある場合は筋肉の損傷の可能性が高いです。

 

ケガから治る期間を知る

 骨・靭帯・筋肉・腱ともに、おおよそ12週-16週(3-4か月)で組織は再生すると言われています。

 しかし、再生してもトレーニング・スポーツ復帰となる期間は異なります。

●骨損傷の復帰

 骨の再生は、おおよそ12-16週です。骨の場合は、骨の役割が身体を支えるという役割ですので、骨がくっついてしまえば復帰しても大丈夫となります。

 しかし、ケガをした骨の周りの筋肉が弱っていることが多いため、そこの筋肉のリハビリは必要です。

 手術レベルの大きな骨折でない限り、骨さえくっついてしまえば全然問題なく復帰できることが多いです。

 

●靭帯損傷の復帰

 靭帯の再生もおおよそ12-16週です。しかし、靭帯の再生は、組織的には12-16週で再生しています。

 手術レベルのケガの場合は、靭帯の強度がもとのレベルに戻るには半年~9ヶ月かかると言われています。

 靭帯は骨の制動・関節が過剰に動きすぎないように制動をする役割があるので、強度が戻らなければトレーニング・スポーツに復帰することは難しいです。

 手術のしない重症な捻挫レベルであれば12-16週でトレーニングも再開できると思います。

 

●筋肉・腱損傷の復帰

 筋肉・腱の再生もおおよそ12-16週です。筋肉・腱も靭帯と同様に、強度の問題があります。

 手術レベルの場合、筋肉・腱の組織再生は12-16週ですが、強度がもとに戻るにはこちらも半年~9ヶ月程度かかります。

 さらに、筋肉・腱は損傷している間はトレーニングができず筋収縮を起こせないため著しい筋力低下・筋委縮が生じます。

 そのため、筋肉・腱をもとの強度+もとの筋の大きさに筋肥大させるということが必要となるので、一番時間がかかると思います。

 筋力が元に戻るのは個人の努力量にもよるのでなんとも言えないですが、軽いトレーニングの再開は4-6週から再開できます。

 

リハビリとトレーニングの違い

 リハビリとトレーニングについては明確な境界はありませんが、今回の解説では

・負荷なしでの筋収縮
・軽度の負荷での筋収縮

——————境界線———————

・徐々に自重負荷での筋収縮
・動作練習(徐々に負荷をかける)
・競技復帰

 軽度の負荷での筋収縮までをリハビリ、自重負荷での筋収縮をトレーニング
とさせていただきます。

 

リハビリ開始時期

 リハビリの開始は、五大徴候時から進めていきましょう。五大徴候時も、リハビリは必要です。

 RICE処置と言って

・Rest(安静)
・Ice(冷やす)
・Compression(圧迫)
・Elevation(挙上)

を行って休むことが必要です。

 五大徴候が治まれば、リハビリでの運動を実施していきます。骨・靭帯・筋・腱ともにリハビリの進め方は同じと考えて良いです。

●負荷なしで筋収縮

 まずは、負荷なしで筋収縮をしていきます。

 上腕のケガであれば、肘を曲げる・肩を動かすなど近隣の関節と同時に動かしていきましょう。

 この時に我慢できない・強い痛みがある場合は、まだ組織が修復していない証拠なのでRICE処置・マッサージなどを行いましょう。

 痛みがなく動かすことができれば次のステップに進みます。

 

●軽度の負荷での筋収縮

 負荷なしで疼痛なく動かすことができれば、次は軽度の負荷をかけて動かしていきます。

 軽度の負荷とは、ゆっくり動かす・早く動かすなど運動スピードを変化させることも一つです。

 他には、腕のケガであれば、ペットボトル500mlを持って動かすなど軽い負荷で行います。

 脚のケガの場合は、両足で浅くスクワットなども軽度の負荷の筋収縮となります。

 

トレーニングを始める時期

 リハビリ段階が痛みなくできれば徐々にトレーニング再開です。

 トレーニング開始の目安としては、リハビリ時に痛みがないことや、組織の修復機関を照らし合わせて進めるのが良いでしょう。

 痛みがなくても組織修復が甘ければ、再度ケガをしてしまいます。

 さらに、ケガをかばうためフォームが崩れたり、代償動作を多く出してリハビリの動作を行っていることが多いからです。

 フォームも完璧で疼痛がなければ、段階的にトレーニングを進めても問題ないです。

 その場合は、めちゃくちゃ軽いケガだと思いますので、痛みを見てトレーニング再開しましょう。

 

●徐々に自重負荷での筋収縮

 自重負荷でのトレーニングはイメージがつきやすいかと思います。

 腕立て伏せやスクワットなどで可動域も徐々に大きくしていきましょう。

 このとき、フォームを気にしてください。

 ケガのところを庇う動作が出ていないか、きちんとフォームが整っているかなどです。

 フォームが崩れているということはケガの場所を庇っている場合がありますので、自重で痛みなく、きちんとしたフォームができれば次のステップに移りましょう。

 

●動作練習(徐々に負荷をかける)

 動作練習は筋肥大トレーニングをされている方であれば、軽めの重りでスロートレーニングが良いかと思います。

 スロートレーニングで、軽い重りで強めの負荷をかけつつ、フォームもきれいに修正していきます。

 スポーツ競技者であれば、実践的な練習を再開していきます。

 試合形式の練習ではなく、野球であれば素振り・ティーバッティング、サッカー・バスケなどであれば、シュート練習などです。

 ここで、違和感を感じる選手も多いと思います。

 その場合は、反復的に違和感がなくなるまで動作を練習しましょう。

 ほとんどの場合、ケガを庇ってフォームが崩れています。

 このまま試合復帰するとケガに繋がるので、きちんと違和感がなくなるまで反復練習しましょう。

 筋肉が落ちていることも多いので、筋トレも併用していくことをオススメします。

 ここで疼痛・違和感がなくなれば徐々に(短い時間から)試合に復帰しましょう。

 

まとめ

 今回は、ケガからの復帰方法を細かく解説しました。

 違和感を持ったまま復帰して、すぐにケガをするというトレーニー・選手の方も多く見られます。

 早く復帰したい気持ちも、痛いほどわかりますがきちんと治さなければ、またケガをしてリハビリから進めなくてはなりません。

 長期的に筋トレ・スポーツ競技をしていくためにケガをきっちりと治しましょう。

 

「ASK+room」管理人

理学療法士・パーソナルトレーナー・ダイエット指導も実施しております。
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